(5)逆引力と鉛直抗力

 

 ここで、「地上」の物体Aの質量をmとし、地球Bの質量をMとします。

 そして、地球Bが「引力」を生じ、物体Aが「逆引力」を生じているのものとします。

 

 すると、地球Bの「引力」により物体Aは「落下」しようとします。

 

 他方、物体Aの生じる「起引力」は、微弱ながら地球Bの隅々にまで到達し、その隅々の各部分の「受引力」に作用します。

 その結果、地球の各部分に「微小逆引力」が生じます。

 そして地球Bの無数の「各部分」に生じた無数の「微小逆引力」が、一つの「合力」となって、結集してきます。

 そして。地球Bが「球体」であることにより、この「合力」は地球の中心から、地上の物体Aへと伸びる「一本のベクトル」となります。

 物体Aは、地球Bをこの「一本のベクトル」の方向に動かさそうとします。

 

 他方地球Bは、その「引力」によって、物体Aを「引きつけよう」とします。

 この結果、物体Aと地球Bとは、互いに「接近」し、「接触」します。

 接触するや否や、「引力」と「逆引力」によって挟まれたこの「接触面」に、「圧力」が生じます。

 この「圧力」は、物体Aに「力」を及ぼします。

 同時にこの「圧力」は、それと同じ大きさで、地球Bにも「力」を及ぼします。

 

 そして、この物体Aに生じ、この物体A内を伝播していくこの「力」が、いわゆる「鉛直抗力」なのです。

 

 したがって、鉛直抗力の「起源」は、「逆引力」にあります。

 物体Aの「起引力」が、地球Bの「受引力」に反応して、地球の各部分に「微小逆引力」を生じます。そのとき生じた「微小逆引力」により、その部分(各微小部分)は、物体Aに引き寄せられようとします。しかしその微小部分の手前には、地球Bの「別の微小部分」があります。このため先の微小部分は移動できず、隣合う微小部分同士に「圧力(微小圧力)」を生じます。

 

 このように地球Bの内部に生じた「微小逆引力」は、次々と「微小圧力」に転化され、累積されながら、「一本の合力」として、地球Bと物体Aとの「接触」面に到達します。

 この接触面に到達するや否や、物体Bに生じた「逆引力」は、「一つの圧力」、「一つの物的な力」すなわち「鉛直抗力」に「完全に」転化します。

 

 これは「逆引力」が「地球内部」を貫通する中で、しだいに「鉛直抗力」に転化していっくこと、いわば「濾過」されたものと言うことができます。

 

 このように、地球内部において「逆引力」が、「濾過」されて「鉛直抗力」に転化していくこと、これにより「逆引力」という「空間的力」が、「鉛直抗力」という「物体的力」に転化していくこと、そのことにより、「逆引力」による「(逆)引力加速」が「物的加速」に転化してくこととなります。

 

 ここで、「重力とはなにか?」の本文で述べたように、「引力加速」は「慣性力」を生じないが、「物的加速」は「慣性力」を生じる、という点を思い出してください。

 物体Aの生じる「逆引力」、それが「鉛直抗力」となり、「物的加速」を生じます。

 これにより物体Aに「慣性力」、すなわち「重力」が生じることとなるのです。